普天間基地移設と憲法改正
沖縄米軍基地移設と憲法改正 [2009.11.9記] オバマ大統領の初来日を目前にして普天間米軍基地の辺野古への移設が混沌として来た。鳩山首相以下民主党は選挙前や選挙中「国外移転」あるいは「悪くとも県外移転」を唱えていたらしい(マニフェストには明記していない)。ところが政権党となって米国との協議が進むにつれて岡田外相や北沢防衛相の発言のブレの幅が大きくなっている。岡田外相は「嘉手納基地への併合・統合」案を唱え、北沢防衛相は「やはり日米合意どおり辺野古しかない」と前言を翻し態度を米側へ軟化させた。それでも鳩山総理は「最後は私が決定する」と涼しい顔をしているが、独裁政権ではないのだからその発言は乱暴過ぎる。選挙のとき沖縄で声を大にして唱えた国外移設や県外移設について一言の説明もないというのは問題である。党の最高責任者として国民に対してきちんとした説明をする責任がある。さもないと、何の根拠もない単なる「思い付き」の、選挙目的だけの発言だったと見做されても仕方ないだろう。岡田外相発言についても、いくらかでも沖縄を知っている者であれば、沖縄本島の中心部に位置し更に那覇市街地区に接している嘉手納基地への移設統合が適さないことぐらい、誰にでも分かる。むしろ普天間同様、嘉手納も移転すべき基地である。それにしても鳩山総理は、何故に自分自身の方針を表明しないのか?何故に笑みを浮かべて黙していられるのか?何とも解せない態度であるが、つらつら考えるに、その裏には「憲法改正」問題が絡んでいるのではないか、と想像している。鳩山氏も小沢氏も強硬な憲法改正論者である。結論から言えば、沖縄の米軍基地問題は、憲法9条を改正して早急に自衛隊を「軍」にすることで一挙に解決できる、と考えているのではないか。即ち、自衛隊が軍になれば、日米安保も韓国と同じような積極的な形で構築することが期待でき、日米地位協定問題や集団的自衛権問題も自ずと消滅し、オバマ大統領も、米軍をグアムに集結して人員も減らし経費も安く出来るというメリットが生まれるので時間を貸して欲しい、といった提案でも考えているのではないか?(しかし、これは米軍再編成戦略に時間的に間に合わないため、オバマ大統領が納得する筈はない。)そうなれば当然日本としては、米軍が撤退した分、軍隊・軍備の増強が必要となる。そのためには今から公務員の削減を図り、無駄な経費を削減して備えることが必須となる。当然、憲法改正には国会の「3分の2」の議決と国民投票による決議が必要となる。そのためには民主党への国民の支持が絶対要件となる。民主党は一般国民受けのするマニフェストを掲げて大勝したが、最近のブレ振りを見ると、この前の選挙は国民を騙して票を集めた、まるで詐欺のような選挙だったのかと勘繰りたくなる。改憲派議員は自民党、国民新党、民主党に大勢いるが、これら全ての党が統べて改憲で一致している訳ではない。殊に民主党については一回、二回当選議員が大半で、護憲派と改憲派の呉越同舟の状態にある。この様な状態で改憲を表に出せば如何な小沢民主党と雖(いえど)も、分裂・離脱が起こるだろう。改憲を狙う小沢氏・鳩山氏としては、折角、多数を占めたにも拘わらず、民主党が分断したのでは意味をなさない訳で、党としては何としてでも彼らを改憲派議員、即ち「右向け右」議員に育てる必要がある。ちょっと穿(うが)ち過ぎた見方かも知れないが、案外、鳩山総理と小沢幹事長は「教育」と称して、今、秘かにその目論見を実行に移しているのかも知れない。
| 固定リンク

