山本一太の敵基地攻撃論と憲法9条
敵基地攻撃論と憲法9条 北朝鮮がミサイルを発射し核実験を実行した後、例によって北朝鮮の瀬戸際外交が過激化しそうな様相を呈している。この北朝鮮の動きに、突然、山本一太参議院議員らが過激に反応し、メディアの前で公然と声高に「敵基地攻撃」論を展開したことは無益だった。憲法9条の精神(専守防衛・武器放棄・交戦権放棄)に適っていないことは歴然としているにも拘わらず、安倍元総理の意を受けての発言か山本一太特有のパフォーマンスかどうかは不明だが、軽率浅薄な彼の発言が、北朝鮮に「日本の反動らは、如何なる方法であれ海外侵略戦争の火を付けようと企てている。我々のミサイル発射基地を空襲しようとしている。我々の打撃力は大変強力で限界を知らず、地上には地上、海上には海上、空中には空中で、日本軍国主義の侵略者を無慈悲な報復打撃で一掃する。反撃が加えられれば、日本は修羅場になるだろう」と言わしめ、アメリカに向いていた攻撃の矛先を日本にも向けさせてしまったことは間違いない。アメリカを孤立させ、日本も孤立させて6ヵ国会議を無力化しようとする北朝鮮の外交戦略にウマウマと乗ってしまったようなものである。山本一太議員の「敵基地攻撃」メディア発言は「これが明日の日本を担う国会議員か」と失望させる何とも軽率、軽薄、浅薄極まりないもので呆れるばかりだが、更に5/26、麻生総理が「一定の枠組みを決めた上(自衛権の範囲内)で法理上は(敵基地攻撃は)出来る。攻撃出来ることは、昭和30年代からそういった話だと承知をしている」と発言したことは愚の上塗りであった。この論自体は1956年の鳩山一郎内閣の「相手が攻撃することが分かっている場合に敵基地を叩くことは憲法9条に反しない」という憲法解釈に拠っているが、もともと「攻撃されても反撃出来ないということは『座して死を待て』と言うことか」という極論の上に成り立っているもので健全なる憲法解釈とは言い難い。しかし、この論を支持する者は、現時点ではまだ多数までには到っていないが、自民、民主の憲法9条改正派議員に多く無視出来ないくらいの人数がいる。山本一太議員や安倍元総理以外に、額賀元防衛長官、中川前財務大臣(彼の核保有論議は論外)、武部元幹事長、土屋正忠議員、鈴木馨祐議員、民主党では浅尾議員(民主党「次の内閣」防衛大臣)、前原元代表、枝野議員等の大勢の与野党タカ派に引き継がれているが、むしろ古参タカ派の山崎拓議員や加藤紘一議員らの冷静な発言に安堵している。ただ、MD網防衛構想に見られるように、この問題は更に防衛族が喜ぶ過剰防衛構想に発展する懸念がある。
憲法9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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