G20金融サミットと景気回復
G20金融サミット G20とは「The Group of Twenty」の略。G8(The Group of Eight:アメリカ・日本・イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・カナダ・ロシア)に12新興主要国(中国・インド・韓国・メキシコ・オーストラリア・スペイン・インドネシア・ポーランド・南アフリカ・イラン・ブラジル・ナイジェリア)を加えた20ヶ国の首脳と財務大臣(Finance Ministers)、中央銀行総裁(Central Bank Governors)で構成。この金融恐慌によって破綻寸前の国家さえ現われているという影響の大きさを考えると、地球上193の国の中の一割20ヶ国というのではなく、G30くらいでも良いのかも知れない。今回の世界金融恐慌は、米国金融界がサブプライム・ローンを証券化して有利な金融商品として世界の隅々まで販売したことが発端となっているが、わが国金融界は不動産バブルの崩壊によって学習していたお陰で深入りしなかったことが幸いしている。元はと言えば、ブッシュ政権の8年が新自由主義・市場原理主義の下に、レバレッジ(leverage)が10倍~100倍という無茶苦茶な証券化商品(小泉・竹中コンビが従順に導入し格差を広げた)を野放しにして来たことが行過ぎたファンド商品を生んだ。経済に知識のある人であれば、実業に礎を置き実業を担保としている金融が信用創造(Credit Creation)機能を有していることを知らない人はいない。レバレッジが100倍という証券化商品というのは、100万の現金を元手に1億円の商いが出来ることを意味する。2 %の利益率でも200万の利が得られ、投下資金100万が300万になる訳で、マネー・ゲームそのものである。到底、実業に根ざした健全商品とは言い難い。今回の世界金融恐慌は、信用創造という名前の下に巨大化を続けた虚業バブル、所謂ファンド・バブルが弾けたことが引き金となったようなもので、巨大過ぎたレバレッジが金融だけに留まらず実業にまで危機を及ぼしていることが大問題である。恐慌規模が大きいだけに景気回復までには思い切った支援と時間が必要だろう。民間の「格付け会社」が生まれたこと自体が、金融の不透明性を証明しているようなもので、汚れ濁った池の底が見えるようになるまでにはかなりな年月を要するだろう。今回の金融バブル崩壊は「金融の神様」と言われたグリーンスパン氏など多くの金融人たちまでが無限の信用創造力を誤信したところにもある。そういう意味で、2008年11月15-16日、ワシントンで第1回G20緊急首脳会議(金融サミット)が開かれた際、EU連合が証券化商品市場に対し一定の制約・制限を設けるべく主張したことは正しい。宣言において、「金融危機に歯止めをかけるため、金融監督に関する国際的な連携を強化する」とともに「内需刺激のため財政出動で各国が協調する」方針と、「金融政策も含めた政策総動員体制で危機克服に臨む」姿勢を強調したことを期待したい。
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