10/1、JP日本郵政㈱がスタート
民営郵政、JP日本郵政㈱グループ 10月1日、いよいよ郵政民営化がスタートした。持ち株会社日本郵政㈱の下に㈱ゆうちょ銀行、㈱かんい保険、郵便事業㈱、郵便局㈱の四ツの事業会社をぶら下げてのスタートである。このうち、㈱ゆうちょ銀行と㈱かんぽ生命保険の二社については高収益会社へと発展拡大する可能性が大きいので、官僚の利権システムに組み込まれないよう監視する必要があるくらいでさして心配はしていないが、今後の推移について最も注目すべきは郵便事業㈱と郵便局㈱の二つである。この二つはハード的にもソフト的にも地域住民の生活と地域産業の盛衰に直接結び付いており、この運営如何によっては各地に限界集落を出現させることになる。即ち格差構造を更に増加させる恐れがある。郵便局解体時、予て懸念した通りに事が進んでいるように思える。民営化スタート直前に明らかになったことは休廃止された郵便局(公社終了時比)が400余り、集配業務をしない郵便局(公社終了時比)が1000局余り、種々の手数料のアップ等細かい事項のサービス低下が数多(あまた)起きている。郵便局の数自体、郵政省から郵政公社へ移管される途上においてかなり減少しているので、旧郵便局数と比べる場合、厳密には「郵政民営化法案」提出時点での郵便局数と比べなければ正確な数値とは言えない。うろ覚えであるが、当時、特定郵便局を含めた街中の郵便局数は24000~26000局余りあったと記憶しているので、その時点と比べれば実質1500局くらいの減少に匹敵することになる(一県あたりにすると平均30数局の減少)。郵政民営化法案が可決されてからは過疎局の特定郵便局が重点的に統廃合され、東北のある小さな市に住んでいる知人の話では、「今までは歩いて行けたが、4局あった郵便局が1局に統合されて車で15分ほど掛かり不便になった」とのこと。そこは、もともと多くの村が合併して町となり、更に他の町村を合併して市となったところで、広大な面積を持つ市である。市に昇格して一見発展したように見えるが、実態は過疎化が進行している町村を合併しただけで、単に人数合わせによって出来た市でしかない。そういう所であるから当然、村々の住民(正しくは市民と言うべきだが…)の高齢化が年々進行し年金生活者の割合も高い。銀行の支店というようなものは市役所周辺にしかなく、都市部には多いコンビニも殆ど無い。市役所から遠く離れた地域に住んでいる人たちには、光熱費や通信費等の生活諸経費の振込みや年金の受給や現金引き出しのための生活金融機関はもともと唯一郵便局しかなかったところである。しかも、自家用車を所有していない老人や運転出来ない老人の足である市営バスは一日数本しかなく、そういう中で郵便局を休閉すればどうなるか、結果は誰の目にも明白であろう。このような地区は全国津々浦々にある。弱者に基点を置いて行なうのが行政の原則である筈だが、小泉・竹中政治は行政に「効率」と「費用対効果」思想を取り入れ更に自己責任思想を上乗せして、行政原則とは全く反対の強者優先主義である市場原理主義に走っている。その一つが郵政民営化で、今後の推移から目が離せない。郵政事業は世界を見ても、一貫して国営主義の国と、一旦民営化したが上手く行かず国営に戻した国が殆どである。サービスの均一化と公平化を目指せば民営化が不適であることは明白で、住民福祉を低下させれば限界集落化することも明らかである。地方の過疎化に目を瞑り、都市部の民力の増大だけを志向する政治は格差を広げるだけで狭めることは出来ない。その上、地方産業は育たず、地域は豊かにはならない。国力向上のためには地方の民力を拡大する政策が必須であるが、そのためには高速道路の無料化などの劇的改革も考慮しなければならないだろう。そのとき必要になるのが住民生活の基礎となり核となる公的施設、郵便局である。地価状況の分布を見ると、小泉・竹中経済政策が如何に地域格差を拡大させたか、という結果が如実に現われている。一度壊したものを再興することは創る以上に難しいが、郵政事業が完全民営化される前に郵便局という「ネットワーク型社会資本」を再構築することが必要である。
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