大相撲八百長疑惑と中盆
中盆〖なかぼん〗 一般人で「中盆」という言葉を知っている人は少ないと思う。「中盆」という言葉を聞いたり見たりしたとき、「お盆の中日」を思い浮かべる人が多いのではなかろうか。「お盆の中日」と言えば「8月15日」のことだが、「中盆」という言葉はこれを短くしたものではない。兎角、八百長疑惑の噂が絶えない朝青龍のお陰(?)で表社会の言葉になりつつある八百長と一対の言葉で、元々は、時代劇でよく見掛ける賭場の「賽(サイコロ)振り」や「差配(さはい)」を指す賭場言葉である。相撲界ではこの言葉が八百長相撲の橋渡し役や仲介役の隠語として使われているらしい。八百長のことを「注射」と言い、中盆が「注射を買いに来た」とか「注射を打った」というように使われる。大相撲の八百長疑惑は今に始まったことではなく既に数十年前から噂されており、ということはその時代々々の役回りを受け持った「中盆」が絶えることなく連綿と続いて来たことになる。八百長でない取り組みを「ガチンコ」相撲と言う。幕下・十両同士の取り組みには八百長は殆どないと見てよい。ガチンコ相撲は見ていても思わず手に汗を握るような好取り組みが多く清々しい気分になる。それがここ数年、元力士や相撲ジャーナリスト等によって厳しく追求されるようになったのは、時代の趨勢もあるとは思うが、それ以上に目に余る八百長がまかり通っているということだろう。八百長のもう一方の主役である「中盆」の疑惑を掛けられた関取の行く末を見ると、大相撲を引退した者もいれば引退させられた者もいる。大相撲の近代化と再建のためには暗部への大メス手術が必要だろう。
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